「お~いお茶新俳句大賞」というコンテストをご存知ですか?
企業のキャンペーン・
プロモーションから
「話題性」VS「文化」
の切り口で、お届けしています。
今回は「文化」です。
「お~いお茶新俳句大賞」は
もう29回も続いている、
誰でも応募出来る
俳句のコンテストです。
季語を入れるなどの決まりがなく、
感じたこと、思ったことを
自由に表現してOKということで
「新俳句」と表現されています。
受賞作品は、
「お~いお茶」のパッケージに
掲載されるのですが、
そこにはこんな背景がありました。
俳句が一般に流行り始めたころ、
発表の場がなかったのを
”「お~いお茶」という「商品」を
発表の媒体に使っていただこうと考えた”
のだそうです。
伊藤園といえば、
日本の伝統文化であるお茶を
現代風に缶やペットボトルで
提供するという、
変革を起こした会社です。
そこで同じく
日本の伝統文化である俳句を、
自由に「新俳句」にアレンジし、
今まで以上に多くの方々に
気軽に楽しんでいただきたい、
その発表の場として
「お~いお茶」のパッケージを
開放することが、今の時代に合った
新しい文化活動になるだろう、
というのが趣旨だそうです。
もうひとつご紹介すると、
お香の 松栄堂が
毎年おこなっている
「香・大賞」
という、香りにまつわる
エッセイのコンテストがあります。
こちらも33回
続いているのですが、
「香り」について
自由に表現する場を
設けているというのは、
香り「文化」の普及に
貢献している企業、
ということになります。
前回ご紹介した
「チョコパイ」のような、
ユーザー、ファンとの
コミュニケーションをはかる、
キャンペーン。
そして
「ユーザー、ファンとのコミュニケーション」
「自社商品の販促・プロモーション」
の枠を超えて、
もっと多くの人を
巻き込んでいるのが、
今回ご紹介した
「お~いお茶新俳句大賞」
「香・大賞」
のような、
文化的・社会的とも言える
プロモーションなのです。
「30年続ける」
というのは、
一過性の思い付きや、
目先の利益だけを考えるとできません。
それだけ本気度がわかりますし、
企業の信用も高まります。
このような文化の普及というのは、
直接自社の商品を
買ってくれる人でなくても
対象になるため、
リーチする範囲が広がります。
その活動で直接
「受け取る」目的ではなく、
「与える」ことが主体で動くので、
与えて、巻き込まれる人が
多くなるほど、
そこで循環する
エネルギーも大きくなって、
いずれ大きく返ってくるのですね。
「話題性」VS「文化」
と3回に渡ってお届けしましたが、
あなたのビジネスなら、
どんな切り口でキャンペーンや
プロモーションを考えますか?
話題になるような
キャンペーン・プロモーションも
面白いですし、
業界の新しい文化を作る!と
ちょっと大きく
視点を拡げてみるのもいいでしょう。
ぜひ何か、新しいチャレンジを
してみてくださいね!